清酒「分福」「男一心」醸造元・分福酒造株式会社

日本酒の種類

好きな日本酒を探し出すことから

五千を越える日本酒の銘柄の中から、あれこれと選んで飲み比べてみる、日本酒ならではの楽しみです。でも実際は、「なにをどう選んだらよいのかわからない」というのが、実情でしょう。
日本酒は、かつては特級、一級、二級という酒税上の分類制度がありましたが、今はその製造方法や原材料によって分類する「清酒の製法品質表示基準」による特定名称酒と、広く一般に愛飲されている日本酒があります。
おいしいお酒に出会うためにも、まずその種類と特徴を知っておきましょう。

特定名称の清酒とは、吟醸酒、純米酒、本醸造酒をいい、それぞれ所定の要件に該当するものにその名称を表示することができます。なお、特定名称は、原料、製造方法等の違いによって8種類に分類されます。

※なお、平成15年10月31日に「清酒の製法品質表示基準」の一部が改正され、平成16年1月1日から適用されることになりました。
【改正のポイント】
(1)特定名称の清酒の製法品質の要件
1.純米酒の製法品質の要件から「精米歩合70%以下」を削除しました。
2.特定名称の清酒の製法品質の要件に「こうじ米の使用割合15%以上」を追加しました。
(2)精米歩合の表示
特定名称を表示する清酒について、原材料名の表示と近接する場所に精米歩合を表示することを義務付けました。

特定名称 使用原料 精米歩合 香味等の要件
純米大吟醸酒 米、こうじ 50%以下 吟醸造り 固有の香味、
色沢が特に良好
純米吟醸酒 米、こうじ 60%以下 吟醸造り 固有の香味、
色沢が良好
特別純米酒 米、こうじ 60%以下又は特別な
製造方法(要説明表示)
香味、色沢が特に良好
純米酒 米、こうじ 香味、色沢が良好
大吟醸酒 米、こうじ
醸造アルコール
50%以下 吟醸造り 固有の香味、
色沢が特に良好
吟醸酒 米、こうじ
醸造アルコール
60%以下 吟醸造り 固有の香味、
色沢が良好
特別本醸造酒 米、こうじ
醸造アルコール
60%以下又は特別な
製造方法(要説明表示)
香味、色沢が特に良好
本醸造酒 米、こうじ
醸造アルコール
70%以下 香味、色沢が良好
※特定名称の清酒はすべて「こうじ米の使用割合15%以上」。

製造上の特徴による酒の分類

生酒……
製成後、一切加熱処理をしないお酒。
生貯蔵酒…
製成後、加熱処理をしないで貯蔵し、出荷の際に加熱処理するお酒。
樽酒……
木製の樽で貯蔵し、木香のついたお酒。
原酒……
市販の日本酒は、加水しアルコール分を調整してからビン詰めを行いますが、加水せずに醪(もろみ)をしぼったままの濃厚な日本酒。
<参考資料>
日本酒度、酸度、アミノ酸度ラベルに日本酒度、酸度、アミノ酸度が書かれているものも少なくありません。

「日本酒度」は、水(±0)に対する酒の比重を「日本酒度計」で計ったものです。この比重は、糖分を中心とするエキス分が多い酒ほど重くなりマイナス(−)に、 エキス分が少ない酒ほど軽くなりプラス(+)に傾きます。
「酸度」は酒中の有機酸(乳酸、コハク酸、リンゴ酸など)の量を表しています。有機酸は、酒の味に酸味、旨味をもたらします。
「アミノ酸度」として測定される成分は、主にごく味やうま味を構成します。
日本酒にはアルギニン、チロシン、セリン、ロイシン、グルタミン酸など約20種類のアミノ酸が含まれています。

※日本酒度のマイナスの数字が大きいほど濃醇で甘く、プラスの数字が大きいほど淡麗で辛いといわれますが、実際には酸度に大きく影響されます。
日本酒度が同じ酒で比べると、酸度が高いと甘味が打ち消されて辛く、逆に酸度が低いと甘く感じます